しらはぎ会クリニックの新しい試みとしまして、今回はしらはぎ会副会長の福島朱美さんとご一緒に、浜松北高24回卒の間宮康喜先生のクリニックに行き、お話をうかがってまいりました。 以下、その内容です。
女性は男性に比べて、中年以降心身ともに変化が顕著に現れやすいという特徴があります。男性にも更年期はありますが、女性は女性ホルモンが先に減って、LDLコレステロール〔悪玉コレステロール〕や総コレステロールの数値が上がります。これらは動脈硬化の引き金になるので重要です。中年肥満、わかりやすく言えば、内蔵肥満ですが、腹膜や肝臓に脂肪がたまります。内臓肥満の見た目の指標として、ウエスト(W)とヒップ(H) の割合があります。W/H比が1を越えるとおなかの脂肪が増えているので、0.9以下に戻すようにします。
逆流性食道炎とは食道と胃の括約筋がゆるんで胃から食道へと胃酸逆流することで起こります。また、太ることで腸管周囲の脂肪や肝臓周囲の脂肪が増えて、腹圧が上がるため、悪化します。前かがみになっていると逆流しやすくなります。女性はこの括約筋がゆるみやすいので、胃酸分泌を高めないような食事に気をつけます。また、おなかを圧迫しないようにします。やせることが重要です。
Q: 総コレステロール、LDLコレステロール値は血液検査でしか、わからないですか?
A: 数値は血液検査でわかります。首の動脈(頚動脈)を超音波で検査すると動脈硬化LDLの蓄積を見つけることができます。遺伝的な高脂血症のあるかたでは、アキレス腱が厚くなったり上まぶたに黄色の塊がある場合があります。
Q: LDLコレステロールを下げるにはどうすればいいですか?
A: @食事に関して
LDLコレステロールを上げないためには オリーブ油やなたね油を使うのはいいでしょう。
クリーム類、ショートケーキ、アイスクリームなどの乳製品由来のクリームや卵〔鶏卵、魚卵〕を控えます。卵の難しいところは フライ、菓子パン、うどん、そばのつなぎにも含まれているため、目に見えない『卵』があることなのです。卵は一日一個として、あと大切なのは食物繊維をとることです。食物繊維はコレステロールを下げる働きがあります。のり、わかめ、寒天、ひじきなど特に海藻系の繊維がいいのです。これらは、LDLコレステロールの腸管での吸収を妨げる効果があります。
A内服薬
クリームや肉の脂などどうしても食べたい方には保険適応ではありませんが、油を出してしまう内服薬があります。専門の先生にご相談ください。
Q: 女性ホルモン補充療法とコレステロールの関係についてはいかがですか?
A: 女性ホルモン自体がコレステロールを下げます。テープ剤の黄体ホルモンと卵胞ホ
ルモンの合剤があります。ホットフラッシュや多汗、手足の冷感がある方や骨粗しょ
症に補充療法をします。コレステロール値が20〜30位下がることがあります。
B運動に関して
Q: みんな元気で長生きが一番ですが、 どうしたらいいですか?
A: 筋肉が ちゃんとあることです。骨、皮膚、筋肉がしっかりしていて、W/H比を1以下にします。それで、生活習慣病はまず、起こらないでしょう。
筋肉は特に太ももと腰の筋肉、つまり 足の筋肉が重要です。大きく呼吸する体操やジョギング、ウォーキング、サイクリングで脚力を保つことです。
間宮先生、お忙しいところ、クリニックインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。 とても、わかりやすいお話で、本当に参考になりました。 |