中村惠美子(18回)

 中日新聞にあるように、静岡県書道連名に紛れこんで、この四月二日から六日まで、中国の江南地方を旅行しました。(新聞にあるのは、その時の公の行事です)

 旅行後の感想は、中国は、やはり五千年の歴史を持つ大国、日本文化の源の地、中国人は優秀である、ということです。そして、今、とても面白い所です。
 「面白い」の所似を考えました。それは、今の中国の人々の暮らしは、ともかく何でもありの混沌としている状態だからでしょう…。「今」の最先端を行く巨大な高層ビルの並んだ上海。高度成長をする前の日本の昭和三十年代を連想させる、どこか懐かしい紹興の町並み。そして、田舎。明時代から続く石造りの家、華堂古村の内の一軒、天井の低い薄暗い小部屋で、お婆さん達が麻雀をしていました。革命前の雰囲気? で、この風景は刻みつけられています。
 過去の日本の近代化していく過程がそのままに、今も現在形で動いている様子が分かって、その点がとても面白く感じました。一言で言うと「超格差社会」ですね。
 そして、中国人の「商売上手」と「頭の良さ」…日本語のガイドさんは才媛でした…を思うと、社会主義経済よりは、自由主義経済の方が中国人本来の体質に合っていて、経済が急速に発展しているのは当然である、と思いました。
 史蹟、観光地は、大規模で良く整備されていて、気持ちよく歩き廻れました。が、その駐車場には物乞いが…。そして、日本人は珍しいとのことで、どこへ行っても、周囲の人々から「見物」されました。蘭亭では、遠足の小学生の一団が日本人に興奮していて可愛らしく、カタコトの英語を話すので、こちらも“How old are you?”と尋ねると“Fourteen”ということでした。
 柳の緑が美しい時に行き合わせて旅行ができて幸いでした。中国は奥が深い所です。機会が許せば、何度でも訪ねてみたいと思っています。

舘山寺と姉妹関係にある寒山寺
蘭亭での曲水の宴
蘇州のシンボル的存在の虎丘
西湖湖畔

 

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