野平 美紗子(11回)
「私はデジカメを手に近所を散歩しながら俳句を作っています。」

※以前の作品はこちらから
 

 
   

薔薇剪って 特別の香を いただきぬ

香りの薔薇(ばら)

この白い薔薇は香りがとてもいいのです。
花好きの友達が一本剪ってくれました。
部屋に挿したところ、その素晴らしい芳香がしばらく部屋の中に満ちていました。
この薔薇の名は「ホワイトクリスマス」とか。

09/5/10

   

薔薇の名に 大きくうなずく 車椅子

プリンセス ミチコ

薔薇公園での情景です。
皇后様の名を頂いたこの薔薇をみて、親しみを覚えたのは私ばかりではないようです。

09/5/17

   

ピースとふ 美しき色 薔薇の花

ピース(Peace)

このバラは1945年にフランスのメイアンで作り出されたと書いてありました。
第二次世界大戦の終わった年ですね。平和への祈りを込めて名づけたのでしょうか。そんな気持ちでこのバラの花を眺めました。

09/5/2

   

ダイアナの 薔薇とふ一花 ありにけり

ダイアナの薔薇

大きく咲き開いたこの薔薇は、いかにもダイアナ妃の名を冠した薔薇にふさわしい感じがします。

09/5/17

   

庭手入れ ことに張り切る 薔薇のとき

薔薇の庭

薔薇を上手に咲かせるには、その手入れが結構大変だと言われています。
色々な薔薇を咲かせている庭におじゃまして、話をうかがいながら写しました。

09/5/18

   

つつじ花 赤よけれども 白もまた

躑躅(つつじ)

俳句では躑躅という難しい漢字を使うようですが、私にはひらがなの「つつじ」が合ってます。
今、近所では赤や白のつつじが見事です。赤の華やかさもいいものですが、白もその清楚な様子が大好きです。

09/4/29

   

草原に 揺れて一日 姫女苑

姫女苑(ひめぢよおん)

子供達が草原に遊ぶ良い季節です。
そんな原っぱに必ず咲いているヒメジオンです。少しの風にも揺れる様子が可愛らしいですね。子供達と同様、一日揺れて夕方になったヒメジオンです。

09/4/29

   

おだまきの ほんわか色や 散歩道

苧環(おだまき)

散歩しているといろんな色のおだまきが目に付きます。濃紫、薄紫、橙などもありますが、この薄ピンクが気に入りました。
下を向いて恥ずかしげに咲いている様子も捨てがたいものです。

09/4/29

   

金雀枝や 花の数だけ 蝶生る

金雀枝(えにしだ)

金雀枝の枝に咲いた花がまるで蝶が止まっているように見えました。

09/4/29

   

色も香も ひとしお今朝の 牡丹かな

牡丹(ぼたん)

我が家が建てられた時からの牡丹が今年も咲きました。咲いても3〜4日ほどの命で散ってしまいます。
そんなことを思ったら、咲いたばかりの牡丹の色や香りが一層いとおしくなってきました。

09/4/29

   

千年の 長短言わず 若葉風

若葉風(わかばかぜ)

若葉風が目に映ったのです。
近くに千年の昔に植えられたと言われている大ケヤキがあります。(県指定天然記念物)
いまなお樹勢が盛んで、下から見るとまるで若葉の天井のようです。ちょっと風のある日に下を通ったら、若葉が風に撓(しな)っていました。
千年という時間が長いかどうかとは関係なく、若葉風を感じるこの瞬間を、この木と一緒に過ごしている幸せを句にしました。

09/4/29