高木美幸(25回)

ここは奥山の田園のなかにひっそりあります。 奥山に行く途中、小さな看板のところを左に曲がって、田んぼの中を進みます。みどりに広がる田園の端の山に沿って、このお庭がありますそして、いつもオープンしているわけでなく、ギャラりーが展示している期間だけやっているというわがまま気ままなお店です。でもそのこだわりは尋常でなく、やまの借景を借りて、これでもかというほど、庭のしつらえは 圧巻です。奥山にいながら、イギリスの田園にいる錯覚すら覚えます。
夏は白とブルーの花で庭が自然のままで広がりを見せていますが、手入れが行き届いているのにそれを感じさせない。さびた、いすやテーブルがまた花の可憐さを邪魔しない脇役に徹しています。すべてがイギリスから直輸入品で何気なくおいてある 桑や、バケツまで計算されつくしているのに、さりげなくおかれているのには、さすがというしかありません。
せっかく奥山まで、来たのですから、是非、カッフェに寄ってみたくなります。 

 

 

さあ、期待に胸をおどらせてカッフェに入ってみましょう。 そこはまるでインテリア雑誌そのままで、その雰囲気は外の景色と 一体化しているのに驚かされます。
わたしが感動したのは、そのテーブルのバラの花のしつらえです。 そのバラは花屋で売っている物とは違って、ちょっと虫が食ってたりしています。 いかにも庭から朝、ゲストのために摘んできましたというもてなしの気持ちが 伝わってきます。 いくつかのテーブルの花が少しずつ変えてあり そのたった一輪のバラとグリーンのあしらい方が実にさりげない。 花のくせや色合いを知り尽くしたフラワーアレンジの研ぎ澄まされた感性に思わずシャッターを切ってしまいました。

 

さあ、なにか注文してみましょうか。 メニューの数は多くありません。ピザとコーヒーか、ケーキとコーヒーのみです。ピザは薄い皮のなんていいましたっけ、ぱりっとしてとてもおいしい。ただ、時間がかかります。ここはスローフードのヨーロッパのいなかですから・・・。
あなたが、ファミレスかマックなみのサービスと速さを求めるなら、決して注文してはいけません。たった、2台の家庭で使うようなオーブンで一枚、一枚焼いているのです。でも、待って待って出てくるこのピザは味に手抜きはありません。もう1度、言います。お急ぎの方は、注文してはいけません。コーヒーだけにしたほうがいいでしょう。
くるみなどが詰ったヘビーなケーキは本当においしい。見た目も実に美しい。パラパラとオレンジピールとレーズンが散らばっている結婚式の引き出物みたいなのがフルーツケーキだと思ってはいませんか??おや、失礼・・・。このお店はケーキは何種類ありますか?なんて聞くまでもなくこれひ・と・つ・ 「わ・た・し・イチゴショート」なんて、かわいこぶりっこする人はたのんではいけない。
この盛り付けを学んで欲しい。ケーキはハーモニーなのである。フレッシュのフルーツが宝石箱っていいたいところだけれど、ビーズのきれいなガラス玉っていうほうが近い。ソースが赤とか色彩をもたず、あくまでも、クリーム色で抑えるあたり、実に、美しくおいしそうである。
あなたはどちらでいきますか? ケーキにしますか?それともピザに?
わたしは・・・・? もちろん、ふたつですよ、だってここに長く居座っていたいですものねえ。 ピザはお友達と半分ずつにしましたけどね。

ここには少しだけ、輸入雑貨がおいてあります。店にあるもので気に入ったものがあれば、すべて注文することができます。わたしはテーブルの上の花のグラスを買って、家で、あのさりげない花のあしらいをまねしようと、がんばってます。たった1輪の花に我が家でも、とても優雅なきもちにさせてもらってます。わたしは、テーブルクロスがとても気に入ってます。ひとつひとつが、洗練されていて、すべてがお手本です。
ここを訪れたら、トイレにも必ずはいってみましょう。こだわっています。ここも。この狭い空間なら、なにかしらお宅でもまねできるかもしれませんから。  

そうそう、ギャラリーを忘れてはいけませんでした。ここはギャラリーがオープンしていないと、やっていないんですから。さあ、みなさん、必ず問い合わせてから、出かけてください。    
もし、くわしくお聞きになりたい方はこのしらはぎ会ホームページにアクセスして。こちらへメールして下さい。    
電話番号だけはお教えしましょうか。忘れないで、毎日やってはいないことを。
053-528-4455    
LA ROSE DES VENTS  ~バラの風~   
*わたくしはこのお店とはなにもかかわりはございません。あくまでも、1ファンのみ*