「ダーウィン邦訳の起源」の続編 その1
24回 幡鎌 さち江

 11月23日、24日に、紅葉美しい古都・京都に行ってまいりました。
 23日朝、東京から駆けつけた24回の後藤佳子さんと浜松駅から、京都に、いざ出発!
 紅葉の季節でホテル予約が大変でしたが、今回の京都行きの立役者であった25回の堀川佐江子さんの御力で、京都駅近くのホテルを手配して頂き、さらに京都到着後、ホテルに直行すると、笑顔の堀川さんがフロントでお出迎え!
 「しらはぎ会」の麗しい頼もしい友情に、感動!

 さて、この度の京都旅行のいきさつは、2014年8月26日、京都の堀川さんから、突然、「幡鎌さん、京都に来ませんか?」と、お電話を頂きましたことに始まります。
 「今朝の毎日新聞に、ダーウィンの進化論を日本で普及させた動物学者・丘浅次郎の御孫さんの記事が載っていました! 京都市北区在住の香西理子様という御名前の方で、関西の音楽大学を中心に50年余り、バイオリン指導者として多くの演奏家や教育者を育てた方です。会いに行きましょう!」と、堀川さんの言葉に、飛び上がるほどビックリするやら、嬉しいやら! まあ、そんな、こんなで、堀川さんが、毎日新聞の記者を通して、香西様に御連絡をとって下さり、御手紙の遣り取りが始まりました。香西様からの始めての御手紙は、浜松で珍しく、半円形の美しい虹が出た日のこと! とてもドラマチックな出会いを予感しました。そして、香西様から、11月23日に開催される御弟子さんのバイオリン・コンサートへの嬉しい御招待をいただき、「ナイス・サプライズ京都旅行」が実現いたしました。当初、主人と一緒に行く予定でしたが都合が悪くなり、なにかと協力して下さった後藤さんが「今年一番のイベントになりそう…」と、急遽代わりに行ってくれることになりました。
(※なお、後藤さんと一緒に出席した今年5月末の北高・関西同窓会での丘浅次郎の紹介を堀川さんが覚えていて下さったことが、香西さんとの御縁に繋がりました。関西同窓会の皆様、ありがとうございました!)

ホテルを3人で出発、まず堀川さんの御案内で、「哲学の道」にある京セラの「京都賞」レセプション会場にもなっている和輪庵を訪れ、美しい庭園を鑑賞しながら、紅葉弁当を頂きました。

そのあと、タクシーで上桂駅近くにある京都青山音楽記念館に向かいましたが、紅葉で道路が至るところ渋滞!時間までに、コンサート会場に着くか、はらはら、どきどき!運転手さんの機転で、開場1分過ぎに見事到着!会場の入り口で、はじめて御目文字いたしました香西理子様の御姿に3人とも感動!御弟子さんの兄妹による無伴奏バイオリン・デュオも、とても迫力があり、芸術の秋を堪能いたしまた。
 夕方は、炭屋の板長をされていた又吉さんが独立して開店されたという祇園の、堀川さん御推薦のお店で、美味しい本格的京料理をいただきました。
 祇園からホテルまでの帰途も混雑!やっと、夜10時過ぎにたどりつきましたが、とても感動的な1日目でした。

京都2日目の24日、ホテルで朝食を済ませ、京都駅からJR山科駅へ!
 京都到着後、一番初めに訪れようと思っていた山科・勧修寺ですが、紅葉が見頃で、京都に山越えして戻る道が大渋滞とのことで、2日目朝に変更! 堀川さんは、午前中、用事で午後からの合流予定でしたが、1日目に「なぜ、勧修寺にそんなに行きたがっているの?」と尋ねられ、いろいろと御親切に指導頂いた丘研究の第一人者・筑波常治先生(※元早稲田大学教授)の御弟様が門跡をなさっている由緒ある御寺で、御挨拶に伺う御約束をしている旨を話すと、「ええ~!」とビックリ! 急遽、堀川さんは予定変更! 
 勧修寺から、また1日、私たちに付き合うこととなりました!
(※筑波先生は元山階宮家の御出身で、叔父様は山階鳥類研究所を創始された山階芳麿様)

 山科・勧修寺は、昌泰3年(西暦900年)に醍醐天皇が創建された千有余年の歴史がある御寺で、庭園は「勧修寺氷池園」と呼ばれ、「氷室の池」を中心に造園され、広大な自然美を楽しむことのできる「池泉庭園」です。紅葉のころはもちろん、池に蓮の華が浮かぶころ、桜の季節と、四季折々の風情が楽しめます。書院の前庭にある水戸光圀公の寄進の灯篭は、『黄門さま』らしいユーモラスなスタイルが有名で、灯篭を覆うように生えている植樹「ハイビヤクシン」は、樹齢750年と言われる常緑潅木で、我が国無双の名木として名高いものです。ぜひ、皆様も山科・勧修寺を訪れてみてください。
 勧修寺では、私たちは庭園を拝見したあと、来訪の旨、お取次ぎ頂き、庭園拝観者とは別の特別の御部屋に通して頂き、筑波様に御会いすることが出来ました。学生たちから「ミドリの麗人」と慕われていた在りし日の筑波先生、心優しい人格者であられた御人柄を思い起こさせる思い出話など、筑波様との尊い貴重なひと時を過ごさせて頂きました。また、帰りには、3人に記念の御土産まで頂戴し、本当に感激いたしました。

 勧修寺からは、一路、京都駅に戻り、地下鉄で、御招待されていた北区に御住まいの香西様御夫妻の御宅に午後、3人でお伺いたしました。理子様は、丘浅次郎博士の内孫の初孫で、御父様の東京教育大教授であった丘直通氏は、拙著「人類は下り坂」執筆に御協力下さった北高恩師・中村明先生(生物)と国立遺伝学研究所(三島)で御一緒されたとのこと。理子様は、戦前、ロシア人・バイオリン教師で多くの演奏家を育てた小野アンナ女史(※オノ・ヨーコの義理の伯母)に、4歳からバイオリンの指導を受け、1950年第19回日本音楽コンクール第1位、1955年フルブライト交換留学生として渡米、ジュリアード音楽院などで学び、その後、関西の多くの大学等で指導者として活躍、1999年、第18回・藤堂音楽賞、平成25年度・京都市芸術振興賞を受賞されたなど、華々しい経歴の持ち主。素敵な旦那様の香西氏は、京都大学名誉教授。アメリカで出遭った御二人!香西氏の御父様は、はじめは御結婚に反対されていたそうですが、丘浅次郎博士の御孫様であることが分かると大賛成に変わったという微笑ましいエピソードをご披露して下さるなど、温かい御二人のお人柄と「おもてなし」に3人とも大感激!(※ちなみに、香西氏の御父様は、菅原道真公を祀る北野天満宮の宮司様だったとのこと)帰りは、最寄の駅まで、大学者である香西先生に車で御送りいただき、3人とも、恐縮!

 紅葉美しい古都・京都での、大変、思い出深い愉しい2日間の旅でした!

 さらに無事、新幹線に乗って帰路につけるか、心配で京都駅まで見送りして下さるなど、思いがけない貴重な旅の演出をしてくれた堀川さんに感謝!
 このたびの「素晴らしい出会い」が実現いたしましたことは、ひとえに「しらはぎ会」の幅広い繋がりと絆があってこそのもの、本当に嬉しく思いました!

(写真をクリックすると拡大してご覧になれます)

「ダーウィン邦訳の起源」本編へ