小行事当日、展示された浮世絵は、歌麿13点(「絵本百千鳥」、美人画など)、広重20点(「魚づくし」、「花鳥風月」、「雪・月・花」など風景画)、写楽6点(役者画)、版木1組でした。それでは、当日、参加できなかった方のために、浮世絵解説のほんの一部を御紹介します。
@ 団扇をもつ おひさ
こちらの浮世絵は、両国薬研掘の「巻きせんべい屋・高島屋の看板娘おひさ」がモデルです。顔全体が整いクールな美しさの「難波屋おきた」と共に、初々しく愛らしい顔立ちの「おひさ」は寛政の代表的美人のひとりです。当時、江戸で彼女たちの浮世絵は、ブロマイド的人気で飛ぶように売れたといわれています。 「雲母摺り(きらずり)」の背景に浮かび上がる「おひさ」の団扇の模様、着物の絣や帯などが、なんともいえない立体感をかもし出しています。また、髪の毛の1本1本、生え際の産毛まで細密に描写され、女性の美を感じさせます。 右の歌麿の名前の上のマークは、版元「蔦屋(つたや)」のもので、2番目に紹介した「難波屋おきた」と同じ版元です。蔦屋の手になる浮世絵は、それまでにない様々な技法を駆使して、女性の理想像や役者の個性を、品格をもって表現する歌麿や写楽の才能を、あますところなく引き出し、浮世絵の芸術性を高めました。
「鶏」 宿屋飯盛 以上、当日の小行事の雰囲気の一端をお届けできたら幸いです。
私が在校していた頃よりだいぶおとなしくなったような気がしましたが、最初ちょっとモジモジしたあとで質問はちゃんと出てきました。 今年の夏オーストラリアにホームステイで行く予定でその準備にどんなことをしたらよいのか、というような現実的な質問もあり、また自分の思っていることを日本語で言うのになかなかよい表現が見つけられないのだがどうしたらよいか、というような知的な質問もあり、私も考えさせられることが多くて勉強になりました。 (ちなみに前者への回答は、日本のことをちゃんと話せるようにそれなりの知識をつけ、英語の表現を考えておくこと、また向こうのことも勉強して質問できるようにしておくこと、折り紙とかあやとりとか子供とできるような遊びを覚えていくこと、料理の一つくらいできるようにしておくことなどで、後者へのお薦めはちゃんとした日本語で書かれた本や新聞などを読むこと、でした。) 全員女子高生だったので、男子はどんな感じなのかな〜と思ったことと、昔ながらの制服を着ているのが、懐かしいやら気の毒やらでした。 (女子の制服改善委員会、覚えていますか? 私も委員として参加させてもらいました!でも、力足らず...) あと、日本とアメリカの文化的な違いを検討したのも面白かったです。 19日のしらはぎ会主催の講演会では、自分のこの25年間の経験をまとめさせてもらって、いい区切りになったと思っています。 最近アメリカでは教育関係に問題が多く、州立大学でも予算を切られることが続いていて、この状況でずっと教え続けられるか、自問することがしょっちゅうですから。 講演会のために作ったパワーポイントはかなり単純で大学のキャンパスの写真が主でしたが、それでも少しは役立ったようです。 皆さん、暑い中よく我慢して聞いてくださいました。(日本人って我慢強いですね〜) 講演後の質問で印象的だったのは、日本の小学校への英語教育導入をどう思うか、というものでした。 その際は上手く答えられなかったかもしれませんが、やはり英語がしゃべれるようになる学校教育は昔と変わらず気になるところなのだ、とわかりました。 私としては日本人全員が英語をしゃべれるようにならなくてもよいと思うのですが、やはり仕事などで海外に出てコミュニケーションができないと残念ですよね。 それにはまず自分の仕事に自信を持つことと、少しぐらいの間違いは気にしないこと、でしょうか。 栗林さん、お忙しい中本当にありがとうございました。