2008年1月26日、12時30分からしらはぎ会役員の新年会が「楼蘭香厨」にて開かれました。
 会長の挨拶、副会長の乾杯の後、おいしい料理と楽しいおしゃべりが続きました。

乾杯の甘いお酒のと、急須の中で花のように開くジャスミンティーをいただきます。

 前菜の後、鶏肉とナッツの炒め煮、いかのぴり辛あえ、麻婆豆腐をいただきチャーハン、ビーフン、お粥を選択してデザートになりました、デザートの杏仁豆腐の中に隠れたさくらんぼを見つけた人にはささやかなプレゼント、楽しい会になりました。

 土曜日のお昼とはいえお忙しい方が多く、19名の参加者の中にも、時間に余裕のない方も居られました。
 6月のしらはぎ会総会への協力の要請をして閉会しました。そのあと、会員の柴田こずえさんが、お話をして会に花を添えてくださいました。柴田さんはボランティアで、読み聞かせやおはなしをきかせておられます。今回は「薔薇とバイオリン弾き」という、東欧のお話を聞かせてくれました。

 お母さんに同行した子供達も夢中で聞きいっていました。毎月第2土曜日の午後、浜松博物館で「お話の会」がひらかれているそうです。              

 しらはぎ会の会員さんの中には、いろいろなボランティア活動をしている方がたくさん居られます。お互いに紹介しあえると良いですね。  

文責・写真 神谷尚代(17回)


 小春日和の11月25日に、しらはぎ会 秋の小行事
歌劇「魔笛」を本当に楽しむために!〜映像と〜音楽と〜知識と〜
の講演会が浜松北高同窓会館で開かれました。
講師は財団法人ヤマハ音楽振興会本部スタッフ 椙山知子先生です。
会員30名余、一般の方10名余りと研修室は一杯です。
講師紹介の時間を惜しんで、早速講演が始まりました。

 始めに、歌劇「魔笛」が作られた背景の解説が、映画「アマデウス」のシーンを通してありました。
 椙山先生のお話は、世界各国で上演された、演劇やオペラのビデオから、要点となる場面を集めて、画像を見ながら、解説してくださるものです。天才モーツアルトを愛し、素晴らしい音楽を、一人でも多くの人に聞かせたいとの、椙山先生の思いが伝わりました。
 モーツアルトをこよなく愛し、モーツアルトの音楽を聞き重ねた世界歴史上のオーソリティ達の直感或いは考え抜いたさまざまな言葉の一部をA3のリーフレット一杯に紹介してくださいました。

 「死ぬ」と言うことは「モーツアルトの音楽が聴けなくなることです。   …アインシュタイン

 「幸福な気持ち」から「胸が張り裂けそうな悲しみ」まで、モーツアルトは完全に音で表現しました。普通なら小説一冊をかけて書かれる内容も、なんとモーツアルトは18小節で書いてしまったのですね。   …ジェームス ガリヴェイ などがありました。

 歌劇「魔笛」のあらすじについては、Eileenの玉手箱でEileenさんが紹介してくださっています。しらはぎ会ホームページをご覧ください。
 次に、このオペラの基盤となる思想としての、秘密結社「フリーメイスン」の解説にはいりました。
 フリーメイスンは中世ヨーロッパで、キリスト教会に密かに反発する秘密結社です。始めは宮廷や城の石工組合から発生しました。必然的に男性ばかりで女人禁制の結社です。魔笛の中では男「太陽 昼間の世界 空気 火 勤勉 叡智 純粋 勇敢 忍耐 沈黙」と描かれ、女「月 夜の世界 大地 水 無為 卑怯 残酷 虚偽 不純 多弁」のどうしようもないものと描かれています。現在うかがい知る教義はむしろ人道的、人類愛的啓蒙哲学に基づいた修徳慈善の団体であったようです。
 このような思想の背景を知ると、歌劇「魔笛」はまた見方が変わるでしょう。
魔笛の中の重要なアリアを、世界の名だたる歌い手の映像で聞き比べました。
椙山先生は「どんな有名な歌手による素晴らしいと賞賛される歌でも、聞き手の体質に合う合わないがあります。
自分にとって何が心地よいか、何が楽しいかで判断しオペラを楽しみましょう。どんな解説よりも自分自身が感じることが大切なのです。そして「魔笛」は喜劇です。楽しく笑って観てください。」と結ばれました。

 1月6日アクトホールで上演される プラハ国立劇場オペラ「魔笛」が楽しみです。


本間惠美子 43回

“魔笛”がこんなに面白いとは思いませんでした。
月並みですが私が思った感想です。先生の思惑にまんまとはまりました。(笑)
講義を受けた帰りの車の中でまさか“パパゲーノ”の最期のアリアが頭の中を繰り返すとは思っていませんでした。音楽は決して独り立ちしているものではなく,美術,文学,詩,建築,歴史,宗教など人間の思考そのものと深く係わり合いがあるということを“魔笛”を例にとり教えてくださいました。昼と夜,男と女,易しいストーリーと天才的音楽,正反対な2つが1曲の中に混在しているすごさ,入り口はいたって易しくそれでいて死をも超越するような重厚さで包みこむ。まさにモーツァルトはそんな感じだと先生は表現してくださいました。
今回の講義は実際に鑑賞する場面が多くありました。そのなかでも特に印象に残ったのはアリアの聴き比べです。パパゲーノ,タミーノ王子,夜の女王,パミーナ,最期のパパゲーノ・パパゲーナの歌。魔笛の有名どころの5曲を世界最高峰の演出,歌い手のそれぞれで比較したのです。
録画機能のなかった250年も前から上演されているオペラはどれ一つとして同じ物はなく,それでいて毎回真新しくそして人を感動させています。それはこのストーリーにこめられているものが人間の真理をついているから。すばらしい音楽はいつまでも色あせない。むしろこれからも反映し続ける。たくさんのことを伝えて下さろうとする先生の一言一言の一部分とはいえ,わかるような気がして,この講義との出会いに感謝しました。
聞き漏らすまいと耳をそばだてて聴かせていただきました。本当にありがとうございました。 


山中圭子(23回)

 オペラ鑑賞は生まれて初めての体験。そもそも、クラシック音楽が苦手ですぐに子守歌になってしまうタイプなのだ。今回は、11月に椙山先生のオペラ講演会で「予習」をしているので「初めてのオペラ鑑賞」という緊張感はなかった。心配なのは睡魔だけ…。

開演前、舞台両袖にエンジの垂れ幕が下がり、舞台上では同色のエンジのギリシャ風?衣装をまとったダンサー多数がくつろいでいる。準備体操もどき動作を繰り返す人や、ダンサー同士の談笑や、ただ寝そべって休息しているとしか思えない人までいて、緊張感のカケラもない。
観客のざわめきと対照をなすピンッと張りつめた空気感が開演前の舞台の雰囲気だと思っている私には気抜けする感じなのだが、おかげでこちらの緊張感もさらになくなった。これも計算された演出なのだろうか。

「今から開演します」というアナウンスがあったような、なかったような感じのまま、勝手に動いていたダンサーがそれらしき配置になって、突然の音楽とともに踊りだした。オペラではなく創作ダンスを観ている感じ。幕間の会話から、それが導入部の小鳥のダンスとわかったが、とても小鳥には思えなかった。古典的オペラとは異質のモダンさがおもしろい。

長いダンスで、いったいどこからオペラになるの? と疑問でいっぱいになった頃、天井を隠す布かと思っていた大きな天幕が動き、天井から吊り下げられている数本のロープ操作一つでいくつものとがった小山のようになり、その間から白いブラウスと黒いズボンといういたって質素なタミーノ(王子)が登場してオペラが始まった。うれしい事に、歌に合わせた字幕が左右に出て、字幕を読みながら歌の美しさだけを感じればよかった。
その後、舞台手前が黄色、奥へいくほど黄土色、緑、青、紺とぼかし模様のように色が変化している大天幕の吊り方一つで、険しい山道、館の大広間の天井、深夜の大空など多様な情景が表現されていく。みごとな演出だった。エンジのダンサーが黒子のように天幕を操作するのも一興。

次に、三人の侍女(魔女?)が王子を助ける場面になるのだが、この侍女の登場によって、やっとオペラらしい華やかな衣装になった。声楽的なことはわからないが、デブ・ヤセ・ノッポという体型的にも特徴がある三人が中世風の個性的な衣装をまとって歌う姿はオペラっぽくて楽しかった。
その次には鳥刺しのパパゲーノが登場する。日本公演を意識してか、緑の顔に作務衣のようなツギハギ和風衣装。陳腐なのだが、道化役らしいひょうきんな雰囲気と表現豊かな歌によって、どんどん違和感がなくなってくる。

オペラらしい豪華な衣装は、他には、夜の女王と道案内役の子供たちぐらいで、あとは現代の正装のアレンジ風。後で気づいたが悪玉はオペラっぽく豪華で華麗な衣装、善玉は現代的で簡素な衣装になっていたようだ。時代考証など無視した演出に違和感が少なかったのは、そもそもストーリーがハチャメチャだからだろうか。モーツァルトのオペラだからこそできる大胆な演出?

パパゲーノ登場あたりで、予習の成果がはっきりわかる。ストーリーがしっかりアタマに入っていることはもちろん、見比べ聞き比べて感覚的に理解した場面や歌が蘇り、始めてのオペラなのに「アア、ここは良いなぁ」とか「なんか物足りないみたい…」と直感的に感じてしまうのだ。

第二部も、どんなストーリーになるのかわかっているので、その場面を天幕+若干の大道具(鏡とテーブルやベッド)でどう表現するのかを楽しめ、人の声が創造するオペラという芸術を堪能できた。今回のメンバーならではの聞き所、各人のすばらしい美声やテクニック、モーツァルト演奏の上手下手について語ることはできないが、そんな知識がなくても、優れた音楽は万人が楽しめるものだと体感できた。睡魔にも襲われず、二時間半が短く感じられた。

たった一回でオペラが好きになった…と言えばウソになる。
今まで、オペラは高い敷居の向こうにあったが、今は「チャンスがあればまた行ってみようかな」と思えるくらいには身近になった。
体験する大切さ、それ以上に、予備知識があったからこそ感じられた豊かなオペラの楽しみ方に感謝したいと思った。実践的講演会をしてくださった椙山先生に改めて感謝。おかげさまで楽しかったです。




日時 10月14日(日) 夜6時30分〜
場所 グランドホテル浜松・サイドウォーク

まったくの偶然ながら、10月14日(日)は、第一回の「やらまいかフェスティバル」と重なり、一日中、浜松中心街のあちこちで無料の音楽を堪能できる日になり、浜松市が音楽で盛り上がった中での開催になりました。

ボサノヴァライブも、38名の参加者を得、5組のご夫婦と、成人したお子さんと一緒のご家族もいて、お酒と音楽を楽しむ大人の会になりました。
サパトスは、飄々とした雰囲気のサックスの三四郎さん、温かい人柄で真面目なイメージがするギターの木村さんのボサノヴァユニット。毎日のようにライブをしているプロだけに、飽きさせず楽しませる話術と、ボサノヴァを知らない人も親しめるように考慮された選曲で、アッという間の約三時間でした。
本格派のボサノヴァ三昧を期待していた人にはものたりなかったかもしれないけど、心地よい音色と軽やかな音楽に癒された人が多かったことでしょう。
皆さん、だんだん、和やいだしあわせそうな顔になっていました。

この会の発案者、田口さんがサパトスにのめり込んだ気持ちがなんなくわかるほど、心の緊張が解けてくつろげる音楽でした。
サパトスを追っかけるうちに「歌手」を夢みてしまってた55歳のオトメ・田口さんの歌があり、飛び込みで田口さんのお母様のマジックショーまであるというアットホームな側面もありましたが、肩肘はらない自然体のサパトスならではのハプニング。それもアリでいいか…と思わせるサプライズでした。

今回は、児玉先生と見崎先生も「先輩」として参加してくださいました。23回生ではないしらはぎ会会員の参加が少なかったのが残念ですが、休日の夜、素敵な時間を共有し、気心が通う仲間たちと飲み、語る楽しさを改めて実感しました。女性たちも、もっと気楽に、夜を楽しめるようになるといいですね。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

会長・山中圭子


”What a Wonderful Worid”で始まったアコースティックギターとサックスのライブ。
田口文江 23回

浜松の仲間内でのライブは、ずっと願っていたものでした。
胸に染み入る暖かい木村 純さんのギターの調べ・・・そして心を溶かす甘い三四朗さんのサックスの音色に、せっかくのお料理、食べるのも忘れて聞き入った2時間余り。(・・・実は後でかなりおなかがすいた・・・)

休憩時間には、サプライズ!狂言マジシャン?田口ユキ(実は母親82歳)のずっこけマジック。思いのほか楽しく、父との迷コンビ振りがなんとも温かく、会場はほのぼのとした笑いにあふれました。

サパトスの作り出す音楽の世界と二人の人柄に魅せられて2年余り。ライブを追っかけて、東は千葉の鎌ヶ谷、北は信州上田、西は岐阜、大阪まで足を延ばし、それぞれの場所でサパトスに出会っていなければ決して生まれなかった、たくさんの素敵な出会いがありました。私にとって、それはサパトスの二人からのタナボタの贈り物です。

人前で歌うようになったのも、二人の音楽に触れたのがきっかけ。初めて生で聞いたとき、訳もなくフツフツと、この中で歌ってみたいと強烈に思ったのです。

カラオケしか歌った事ないのに、大胆にも、今度ライブ企画しますから、歌わせてくれって頼んでしまったのデス。そしたら、なんともあっさりと、「ウン、いいよ!」・・・の返事・・・

さあ、大変・・・!歌詞見ないで歌える曲なんてひとつも無い!企画したライブまで2ヶ月余り。なんともヤバイ・・・
バンドやっている友人に協力してもらって、なんとか3曲必死で覚えた次第でありました。

あれからちょうど2年、歌える曲も増えました。仕事の合間を縫う様に、どっぷり音楽三昧の日々。楽しみはそのままエネルギーとなって、益々元気でいられます。純さんと三四朗さんには感謝、感謝デス。

今回のライブ実現のために協力してくれた山中圭子会長、そして集まってくれた大勢の仲間、素敵な時間をほんとうにありがとう!!
サパトスの二人からも、皆様にくれぐれもよろしく伝えてくださいとの事です。


サパトス・プロフィール
バークリー音楽院を卒業して、世界各地でストリート・パフォーマンスを展開し、帰国後も独自のスタイルで活躍しているサックス奏者の三四朗と、13歳からボサノバ一筋に活躍してきたギタリストの木村純の二人が出会い、2002年に結成。これまでにインディーズで5枚のアルバムをリリース。日本各地のライブ・ハウスやさまざまな施設で活動はもちろん、東京都の“ヘヴン・アーティスト”の指定を受け、ストリートでも精力的にライブを行っている。

浜松では、過去に、会員制の浜名湖シーサイドプラザと天神蔵でライブ活動を行っている。



徳田陽子さん(32回生)

☆秋の気配が感じられる9月24日(月)、あいホール和室にて「しらはぎ会 夏の小行事/やさしいヨーガ」が開催されました。
今回の講師は、しらはぎ会・新制32回の森下知香枝さんに、お引き受けいただき、参加者は、4回生から32回生までの19名が集まりました。
今回の講座のテーマは、アロマでリラックスしながらの「やさしいヨーガ」です。
最初にヨーガの歴史やヨーガのシステムについてのお話しをしていただいた後、肩関節のゆがみチェックから始まりました。
背中に回した手が、きついです!
準備体操を済ませた後は、肩こり解消・腰痛予防に効果がある「猫のポーズ」・「かんぬきのポーズ」に始まり、寝て行う「サギのポーズ」・「ガス抜きのポーズ」・「かっこう鳥のポーズ」、日頃の運動不足にはこたえる腹筋を使った「V字のポーズ」など、10種類以上のポーズを行いました。
全てのポーズは、呼吸と共に動くことで、内蔵・筋肉・神経に響かせて効果につながるそうです。
締めくくりの瞑想の後の肩関節の再チェックでは、初めは背中で結べなかった手が楽に届くようになり、皆さん感激しました。
参加者からは多くの質問があり、家事の合間にできるポーズなども教えていただき、充実した2時間となりました。

※ 森下知香枝さん(32回)は、社会保険センターとNHK浜松文化センターで教室をもっていらっしゃいます。
ヨガに興味のある方は各教室へお問い合わせください。

感 想/参加者 N.K.

普段の運動不足でギシギシしていた体が、とてもすっきりした感じがしました。
最初、背中の後ろで届かなかった手が、届いたときにはとてもびっくり! そして、嬉しくなりました。
また、講師の方の進め方もとても優しい感じがして、リラックスできました。

ぜひ定期的にやっていただけたらと思います。

 

感 想/ヨーガ講師 森下 知香枝(32回)

今回、ヨーガの講師としてお招きをいただき、初めてしらはぎ会のイベントに参加させていただきました。御年配の先輩の方々とお会いすることが出来、しらはぎ会の長い歴史を感じると共に、久しぶりに北高生時代を懐かしく思い出しました。
初めてヨーガを体験される方がほとんどと伺いましたが、皆様がとても熱心に参加してくださり、感激をいたしました。
ヨーガはマイペースで無理をせず、ゆったりと動くものですので、何歳からでも始められ、何歳まででも続ける事が出来る、健康法・美容法だと思います。
ぜひ、これを機会にヨーガに興味を持っていただき、ご自身の健康作りに役だてていただけたらと願っております。

お世話になりましてありがとうございました。





ク レ マ チ ス の 丘
http://www.clematis-no-oka.co.jp/index2.html

平成19年5月 12日(土)参加者14名・貸し切りバス旅行





小行事レポート
山中圭子

進学・進級で受験生をかかえたお母さんが超多忙な4月、晴天続きの浜松祭りに湧いたゴールデンウィーク、さらには7月の同窓会総会直前で準備の渦中の方など、心身もお財布も疲れ切ってしまう時期での旅行になり、参加者が不安でした。不安が的中し、予定していた最低参加者数の15名にはほど遠い10名も集まらない状態で締切を迎えました。
でも、一年にたった4回しかない小行事を「中止」にする気持ちは誰もなれず、執行部で「こんな時こそ会費での補填を」という話がまとまり、異例ながら、しらはぎ会で交通費を補填する旅行にさせていただきました。
「参加者が少ない」という情報が伝わってから、出発直前まで参加の申し込みをいただき、静岡で合流する方、三島でお別れする方も含め、最終的には総勢14名のバス旅行になりました。さまざまなやりくりをして参加してくださった皆さまに感謝です。

旅行当日は、さわやかな五月晴れのすがすがしい好天。芽吹きの緑に輝く芝生が広がるクレマチスの丘はすがすがしく、その縁には紫、ピンク、白など、見たこともない珍種のクレマチスが咲き誇り、それらのクレマチスの間を埋めるように春の花々が咲き乱れ、春爛漫の庭園に現代彫刻が不思議にマッチしていました。自然美と彫刻が美しく調和し、全体としてアートを感じさせられる素敵な庭園でした。
ランチも感動もの! 土曜日はコース料理しかない…とわかった時、イタリア料理のコースは重すぎないかしらとちょっと心配したのですが、「マンジャペッシュ」という店名は「お魚を食べてください」という意味だそうですが、地元の魚介類を中心にしたお料理はどれもおいしく美しく、「コレ、何かしら?」と一つひとつの料理に話の花が咲き、驚きと感動の連続で、アッという間にデザートになっていました。本当に「堪能」です。

バスで移動したもうひとつのエリアは、ビッフェ美術館が中心でしたが、クレマチスの丘とは趣を異にする森の中のたたずまいで、若葉が香る樹木に囲まれた静かな空間でした。隣接する自然公園だけではなく、周りに雑木林が広がり、森林浴のような安らぎに満たされました。少し暗い陰があるビッフェの絵画を見た後には、おいしい空気と明るい太陽、緑の木立にホッとさせられます。彫刻や絵画も見応えがありましたが、それらを含んだ空間そのものがすばらしく、時が経つのを忘れるほどでした。
でも、一番の楽しみはおしゃべり。14名のグループ行動ではなく、まとまりながらも同窓同士、仲良し同士、それぞれがおしゃべりの輪になって、三々五々、見学や散策をしながらも語らいを楽しみました。バスの中もかしましく、おしゃべりが止まる時はありませんでした。
女の旅の最後は「おみやげ」。しっかり沼津で干物をゲットし、夕暮れがせまる7時近くに浜松駅前へ戻ってきました。

しらはぎ会会員同士…と言っても、日頃はなかなかゆっくり語り合うことがありません。旅行は、語らいを楽しむための演出のようなものかもしれませんが、素敵な舞台で素敵な時間を堪能できた一日でした。当日の様子は、副会長の神谷さんが写真入りのレポートをまとめてくださいました。ぜひ写真と一緒にご覧ください。参加された皆さんの感想は【一言impression】としてまとめました。たまたま書いてくださった順です。楽しかった旅行をご想像ください。

【一言impression】

■とても良いお天気に恵まれ、美しいクレマチスと彫刻れて、心、絵画にふ地よい一日を過ごすことができました。 井上直子(23回)

■イタリアンレストランで美味しいランチをいただきました。イサキがとてもこんがり焼けていて、白ワインのさわやかな味とピッタリでした。 鈴木美智子(23回)

■優雅に芸術鑑賞とおいしいイタリア料理で、心もおなかもリッチな気分に浸った一日でした。 松坂公美子(23回)

■お天気よし、美術館よし、イタリア料理よし、白ワインもおいしく楽しいにぎやかな一日でした。次回は、皆さまも、ぜひご参加ください。 中山宏枝(8回)

■「5月」というすばらしい季節のすばらしいものをいっぱいつめ込んだような一日でした。陽の光にキラキラ光る緑の葉、さわやかな風、ほほえむ花たち!  吉岡正子(17回)

■芸術鑑賞とおいしいお料理、おしゃべりと楽しい一日でした。 松野順子(23回)

■天候にも恵まれ、学年ひとり参加で心細かったのですが、先輩や後輩と楽しくおしやべりができ、とても楽しかったです。上品で優雅な気分を味わうことができました。すばらしい企画をありがとうございました。 高木美幸(25回)

■クレマチスのお花の他にも、いろいろなお花がたくさん! とても良い香りに包まれました。 加藤宣子(27回)

■クレマチスの丘の芝生にねっころがっちゃいました! 気持ちよかった〜! ディック・ブルーナーの作品にも大満足。 秋山敦子(30回)

■5月のさわやかな風、若葉の香り、大地のぬくもり、美味しいイタリア料理、すばらしい芸術、本当に参加してよかったです! 小林惠子(30回)

■絶好の行楽日和に恵まれ、晴れやかな富士山を眺めながら、のんびり・ゆったりバスの旅でした。ヴァンジ彫刻美術館では、学芸員の方に説明を受けながら見学が出来たので有意義だったと思います。昼食はステキなイタリアンレストランで大満足! 1日早い「母の日」を満喫しました。 清水恵子(26回)

■爽やかな風の中 花と彫刻と絵画を満喫できました。バスの中では回を超えての会員と話が弾み クレマチスの丘を歩きながら楽しい交流の時間をもてました。思いきって参加して本当によかったです。 二橋とき子(20回)


好天に恵まれ14名が参加しました。
 
富士川楽座から眺めた富士山
ヴァンジ彫刻庭園美術館
 
出迎えてくれた学芸員の案内で彫刻の見方を学習しました。

 
 カトリーナ
 自然の力の大きさを
 語っているようです。

青い空、緑の芝生、咲き乱れる花々と、点在するヴァンジの彫刻たち。
贅沢な時間と空間を持つことができました。

 


屋内展示場 
ヴァンジの作品および、作者の希望にあわせて建設されています。
 
ホワイトガーデンでハイチーズ

昼食会場 マンジャ ペッシェ
薔薇のアーチをくぐって素敵なレストランで、イタリアンをいただきました。
四人・四人・六人に分かれて着席。
レストラン内にもヴァンジの作品が飾られた素敵なインテリア、屋外は庭園の緑、味も見た目も最高の食事。

キビキビとしたサービスも含め、何もかもがみごとに演出されたすばらしいランチでした。

直径が20センチ以上はありそうな大輪から、ほんの3センチほどのかわいい小花のクレマチス、薔薇のような八重やスズランのような釣り鐘型、美しい花弁が重なった珍種のクレマチスなど、クレマチスを見るだけでも楽しめます。ちなみに、三島はクレマチスの栽培日本一だそうです。

ビュフェ美術館へ

鑑賞の後の楽しいお茶
楽しい旅行が終わりました。
次回は皆さん参加してください。



“地球人一人一本植林運動”自分の酸素は自分の木から
アマゾン在住41年の日本人開拓者が訴える地球の悲鳴

人が生きるには、二酸化炭素を吸収し酸素を生み出す植物の力が不可欠ですが、その大切な植物を滅ぼすのは人の欲です。地球上の酸素の三分の一を産出し『地球の肺』と呼ばれるアマゾンのジャングルの16%が、採掘や開発によってすでに消滅してしまっています。人が切り倒した樹木は、人が植林して保護しなければ、もはや再生ができないほど、地球は病んでいます。 単身でアマゾンの奥地に入植し、電気も水もない未開のジャングルで想像を絶する開拓生活を続け、家族と共に今もジャングルで生きる日本人が見たアマゾンの実態です。人のエゴで破壊され続けるジャングルの話とともに、逞しく賢く生き抜いた日本人開拓者の実話も聞き逃せません。四月にはアマゾンへ戻られる講師の貴重な講演会です。


■日時  平成19年3月24日(土) 午後1時〜3時
■会場 浜松北高同窓会会館2階
■参加費 しらはぎ会会員:300円 一般:500円 学生:無料
■申込先 【特別講演会実行委員会】 FAX.053-587-7417
または http;//www.shirahagikai.com  しらはぎ会ホームページのポストから。

= 講師プロフィール =
長坂優(まさる)氏 67歳
1940年  愛知県岡崎市に生まれ静岡県清水市で育つ
1960年 東京農業大学入学
1965年 農大卒業と同時にアマゾン・パラゴミナス入植
1968年 サンタイザベル地区入植 日語学校長・産業組合理事長・農牧技術振興協会会長・汎アマゾニア日伯文化協会環境創生副委員長等を歴任
1990年 現アマゾニア森林保護植林協会会長・植林開始
1994年 訪日し草の根講演でオーナー制植林の開始
1997年〜 国際ソロプチミストの森、秋田県大潟村の森、ムトウの森、日本ロータリークラブの森、日本 ライオンズクラブの森、岡山県自然共生の森等の植林活動を多数行い、草の根講演を続ける。
 

この講演会は、アマゾニア森林保護植林協会会長長坂優氏の来日に合わせ、しらはぎ30回生平井香江さんの紹介で実現しました。

 

 

 講師紹介 しらはぎ会会長  山中圭子

 


長坂優氏のお話

アマゾンのジャングルは、地球の1/3の酸素を供給しています。ジャングルが吐き出した酸素はジェット気流に乗ってこの日本まで来ています。しかし現在この酸素を作るジャングルが危ないのです。恐ろしい勢いでジャングルが消滅しているのです。一番の自然破壊は農業です。農面積の拡大です。小規模の焼畑、大規模な農場開発が、ジャングルを蝕んでいます。私自身も「なぜこんなに森を拓いてしまったのだろう。」と反省することがあります。

 
アマゾンは不思議なところです。
■アマゾンにはリウマチ、神経痛がない。
蜂やありに刺され蟻酸がはいるからか?
■禿が居ない。
直射日光から頭を守っている。
■老人がぼけない。
農業を継続しているからか?
■火事がない。
紫檀、黒檀など、水に沈むようなもえない木がつかわれている。
焼畑など、仕事として放火をしている。
■1億年以上前からすむ魚がいる。
ピラルクーは体長3m,重さ300Kgにもなる。
 

↑ピラルクーのうろこ。大きさの対象としてボールペンを置いた。爪やすりに使われたりする。

また、多くの植物が存在しています。80万種とも言われます。
アマゾンは今まで3回注目されました。
1800年後半 天然ゴムの木の発見により、大きな富を得ました。
1900年前半 世界中から移住が始まり、日本も1929年移住を開始しました。そして、農業開発が始まりました。
3回目は1992年 リオデジャネイロで行われた地球サミットです。
「緑の砦を守ろう。」と話し合われましたが、十分な成果が出ませんでした。
そしていま、失われた緑の砦を取り戻すことが緊急課題になっているのです。
酸素不足は地温上昇を呼び、地温上昇は植物を枯らし、酸素不足を加速させます。
今私達がしなければならないことは、

  1. 今残っている自然林をこれ以上切らない。
  2. 荒廃した土地に緑を植える。自然を再生させることは不可能だが、生き物の相互関係を守っていく。
  3. 今の生活を続けるとしたら、紙、地下資源を徹底的にリサイクルすること。です。
古い言い伝えには、真実を語るものが多くあります。
アマゾンに古くから住むクーピーラの伝説には
■若く、未熟なものはとって食べてはいけない。
■おなかの大きな動物、子供をつれている動物は獲ってはいけない。
■木は必要なだけ切れ。
と言うのがあります。
現代人も守らなければならないことです。
自然は多くのことを教えてくれます。
目に見えないものの大切さを再認識させてくれます。自然を大切に共存していくのが、地球に住む人間の義務なのです。

長坂氏のお話の一部を抜粋しました。
3時間の興味あるお話を伺いました。

 

文責 神谷尚代



地球の肺アマゾンを守る地球人ひとり一本植林運動

メンバーである日系開拓者が、アマゾンの自分の土地を提供し、育苗、定植管理など業務を代行します。
1口10000円で、2本の木を植えつけます。1本は、植樹番号とあなたの名札をつけて、もう1本は、世界中のひとのために、永久植林として管理します。植え付け樹木は、マホガニー チーク樹を中心にパリカー樹を植林します。

アマゾニア森林保護植林協会 日本事務局 Tel. 054-335-5451
〒424-0911 静岡市清水区宮加三642エス エル ワールド(株)内



― 【特別講演会】に参加して ―


小池菜央美さん(市立高校三年)

急なメールですいませんでしたm(_ _)m
講演会では日本がどれだけ世界の熱帯雨林や自然を破壊しているかが分かり自然に目を向けるいい機会になりました。
講師の長坂さんのこれまで経験してきた話は、私の想像もつかないようなことばかりで話に熱中してしまいました!自分のブログでも先日の講演会のことを書いたので、もし暇があれば是非読んでみてください。

(文章は下手ですが・・・・・・)http://ameblo.jp/gratuitous-love/page-2.html




先日行った特別講演「地球の肺が病んでいる」では、多数の皆さんにご協力をいただき、ありがとうございました。集まったお金は10万円です。ご報告した通りに、そのお金でアマゾンの植林運動に参加し、「しらはぎ会の森」を作ることにしました。
南米の気候状態が悪く植林に手間取ったそうですが、長坂さんから植林の証明書と写真が送られてくました。
やっと、ほんとうに、「しらはぎ会の森」ができました。6月10日にNHKで放送された長坂さん出演の特別番組の中でも映っていたそうですが、ご覧になりましたか。10本のチーク樹です。
 

「森」ですから、これで最初の最後ではなく、少しずつでも植林を増やしていければと思います。個人参加してくださった方々にも植林の証明書と写真が送られたと思いますが、みなさんの植林も合わせれば、「しらはぎ会関係者の森」は20本ぐらいのはず。幼い樹木が育つように、私たちの中の環境意識も育みたいものですね。まずは、身近な草木を大切にすることからスタート!!




日 時: 平成19年(2007年)2月3日(土) 
会 場: エクシブ浜名湖
参加者: 会員14名

― 会長あいさつ ―

新年会は節分の日。翌日の立春を先取りしたような暖かな日差しの中、春めいた浜名湖を眺望しながらのセレブ気分の昼食会になりました。
受験シーズンと重なるこの時期「残念ながら欠席します」というご連絡が多く、参加者が少なくて寂しい会になるのではと心配したのですが、メインダイニング貸し切り状態のゆったりした昼食会は、優雅に食事や会話を楽しんでいただける会になったようです。
3000円会費で100円ほど余るので、そのお金で買い求めた商品と役員の方が協力してくださった提供品で行った「お年玉プレゼント」も、思いの外、みなさんに楽しんでいただけました。「年始め」としては時期遅れですが、新しい年を気持ちよくスタートすることができました。
今年は、春の行楽、夏の納涼、秋のオペラ講演会と小行事の予定が決まっています。詳細は未定ですが、それぞれを楽しめる会にしたいと願っています。たった三回の活動ですので、ぜひ、ご都合をつけてご参加ください。
ホームページのさらなる充実も今年の課題です。昨年来かかえている宿題を一つ一つ実現するよう努力します。でも、ホームページは、全国の会員の皆さんの参加が不可欠です。どうぞ、遠方の方こそ、ご参加ください。
小行事もホームページも、本年も、よろしくお願いいたします。

― 新年会に参加して ―

(36回)井口亜由美

「エクシブのランチを楽しみにしていましたが、当日は10分遅刻 し、大変申し訳ありませんでした。焦ってエクシブに到着し、中に入ると豪華な調度品に思わず キョロキョロ。会場のイタリアンレストラン「ルッチコーレ」は地階にあり、室内はダークブ ラウンの壁で落ち着いた雰囲気、テラス席からは白亜の宮殿のような中庭とチャペル、ギリ シャ神殿のような柱の立ち並ぶプールとその向こうの浜名湖が見渡せ、南欧のリゾートと いった趣。すでに山中会長はじめ13名の皆様は席にお着きでした。恐縮です (^^;)
早速お料理が運ばれ、前菜はウナギのテリーヌ、パスタは渡り蟹のトマトソースまたはきのこのジェノベーゼ。メインはハンバーグステーキ、デザートはプチシューのプロフィットロール。おいしい料理に舌鼓をうち楽しいお話に花を咲かせました。アミダくじによる抽選会もあり、100円から数千円までのセンスの良い品々に、「あなたは何だった?」と大にぎわい。大満足の会となりました。次回は春の行楽とのこと、「三島のあたりは?」という話も出まし たが、どちらになるのか楽しみです。予定が合えば是非参加させていただきたく思います。ありが とうございました。」

 
(46回)斉藤 博子

 去る2月3日(土)、GRAND XIV浜名湖「ルッチコーレ」で開催されたしらはぎ会役員新年会に参加させて頂きました。
参加した中では一番若手!?な人生経験まだ浅い私にとって、諸先輩方とお話をさせて頂く良い機会であったと嬉しく思っております。おいしいイタリアンに舌鼓をうちながら、(パスタはバジルを使ったジェノベーゼと浜名湖産渡り蟹のアラビアータの2種類。私はジェノベーゼを頂きました。オリーブオイルで食べるバケットも非常においしかったです!!思わず2つも頂いてしまいました。(笑))同じテーブルで、神谷さんの海外旅行記etc. 色々聞かせて頂き楽しかったです。
また最後には「あみだくじ(空くじなし)」でプレゼントのサプライズ!!
皆で当たったプレゼントを見せ合いながら和気靄靄とした雰囲気の中、閉会しました。
大学卒業後、社会人になってから仕事に追われる日々で、お付き合いも会社の人が大半。それが、学年幹事を任せてもらえたことで、会社の枠を超えて、しらはぎ会の先輩方と交流できることは自分にとって勉強になると率直に思っています。
最後に今回の新年会開催にあたり、幹事の皆さんにご準備頂き、ありがとうございました。とても楽しかったです☆☆



10月28日(土)に、北高同窓会会館二階の会議室で、三井義廣弁護士(23回)を講師に迎え、裁判員制度を学ぶ講演会を行いました。初の試みとして、校内ポスターで在校生にも参加を呼びかけ、一年生女子が一人参加してくれました。参加者は男性も含め、50名でした。

最初に中村雅俊監督・主演(裁判長役)の裁判員制度解説ビデオを鑑賞しました。ドラマ仕立てで、西村雅彦が名脇役を演じていました。仕事命の営業マンである彼は、裁判員に選ばれて怒り、とまどい、迷いながらも、やがて裁判員としての自覚が生まれ、人間的にも成長するという、まさにドラマならではの理想的な展開を自然に演じていました。他の裁判員役も、小学生の子どもをかかえた主婦、青年実業家風の会社経営者、アルバイトで暮らすニート風の若い女性、定年退職後らしい初老の男性、おしゃべりで世話好きな中年女性と、身近にいそうな人物設定で、心理劇を織り交ぜた臨場感があるストーリーでした。約1時間のビデオが短く感じられたほどです。 ビデオで、裁判員制度に選ばれた時の心境や情況、心得のようなものを理解した後、三井弁護士の講演がありました。
平成16年5月28日に交付された裁判員法(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)は、弁護士会が強く要望を続けたもので、市民参加型の司法の民主化をめざす試みの一つだそうです。平成21年にはスタートします。
その背景には、有罪の可能性99%で起訴する検事側と、それを前提に自白重視で流れ作業的に量刑を決める裁判所の実態があります。また、そうした慣例が続いているために、市民感覚とのズレも大きくなり、その是正も裁判員制度導入の目的だという話です。 アメリカで行われている陪審員制度は、市民が陪審員になって被告人が有罪か無罪かを決め、裁判官が量刑を決定する制度です。おもにヨーロッパで行われているの参審員制度は、市民が裁判官に協力する立場で審理に参加し、裁判官主導で市民の意見を取り入れて判断していく方法です。
日本の裁判員制度は、3人の裁判官と6人の市民の裁判員が協力をして、証拠調べから始まり、評議・票決を行い、被告人が有罪が無罪かを決め、さらに量刑の決定にも参加する制度です。裁判員が参加する裁判は、死刑や無期懲役刑が予想される殺人・放火・誘拐などの凶悪事件に限られます。ただし、暴力団絡みの事件は除外されるとか。「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」という裁判員制度のPRコピーそのままを行い、重罪人を裁くのです。 もしも裁判員に選ばれたら、拒否や辞退はほぼ無理です。一生のうちに裁判員候補に選ばれる確率は13人に1人、実際に裁判員を務める確率は50〜60人に1人だとか。「犯罪は他人事」のような感覚の方がほとんどだと思いますが、人の一生を終わらせる死刑という判決を下すかもしれない裁判に関わる可能性は、他人事ではなくなりそうです。もう少し、犯罪にも裁判にも関心をもたなくては、と実感しました。                

報告・山中圭子

←クリック


─ 参加された方の感想 ─

☆講演会を企画してくださり、ありがとうございました。
映画とお話により、裁判員制度について理解が深まり、とても有意義であったと思いました。
裁判員にあてられてしまった時、どう向き合うか、仕事をする時の心構えについては、ああそうかと納得する事ができました。納得した内容というのは、映画の中の裁判官の言葉で「世の中にあふれている事件や事故は、いつ自分にふりかかってくるかわからない、そのふりかかってきた時に、自分はどうするかを考える事です」というものでした。
また、弁護士さんのお話の中で、司法の世界に市民の考えが入っていってない現実があるとか、日本人は議論をする事が得意でないといわれた時に、やはり、改革は必要であったと思いました。
私達は、もっと裁判に興味を持つべきであるし、いわゆるスピーチの技術等も教育されるべきであると感じました。
いろいろ考えさせられるよい講演会であったと喜んでいます。

長谷川米子(15回)

☆フォーラムに参加して、私が関心を持ったのは、映画の主人公の体験による変化でした。この男性(裁判員に選ばれた男性)は、心に怒りをかかえながら、家族より仕事を大切にすることで、人間関係から逃げていました。それが裁判員を引き受けて、それぞれの立場も事情も異なる人々と真剣に向かい合い、意見を交換する事で、自己の怒り、悲しみ、喜びなどの感情を味わい、自分らしさと出会い、自己信頼の体験をしました。彼の変化は、家族、職場の人間関係が、怖れから喜び合うやりとりができるようになったのです。
やはり、体験は、学びのチャンスなのですね。

越川侑子(10回)

☆裁判員制度について勉強させていただきました。言葉は聞いていたのですが、まだまだ遠い先の話だと思っていました。外国の陪審員との違い、無作為抽選で選ばれること、人を裁くことの重さを実感しました。
2〜3年前、浜松市のユニバーサルデザイン条例を全国に先駆けて作るとき、全く法律的知識のない私が条例作成にかかわらせていただきました。一般市民が求めることを、一般市民がワークショップを開いて話し合い、一般市民の言葉で条例にしました。司法の世界ではありませんが、条例づくりという今まで関与することのなかった分野に足を踏み入れた経験と今回の三井先生のお話がダブって、より興味深く聞くことができました。これから先も世の中が個々の声を求めてくる機会が増えるのではないでしょうか。

杉浦政紀(31回)
(2007年浜松北高等学校同窓会総会実行委員長)

☆今日は、話題になっている制度について理解を深める事ができて、とてもためになりました。私が社会に出る頃には、この裁判員制度も一般的になっているのではないかと思います。もし、自分が裁判員に選ばれた時は意見をしっかり持ち、主張していきたいと思います。

【北高在校生・一年生女子】

 


会長オプション企画  「裁判を傍聴してみよう!」 体験報告

三井弁護士の講演会の後、11月10日(金)の午後2時20分から3時10分までの毒物劇物取締法違反の裁判を傍聴しました。参加者は8名。
中央のヤマダ電気店前にできた新しい裁判所は、堅苦しさがない庶民的な明るい建物でした。裁判を傍聴した法廷も、新しいせいか、どことなくミニシアター的な感覚。劇場の入れ替えのように、裁判終了と同時に、サッサと傍聴人も弁護士も検事も入れ替わります。
傍聴する裁判の弁護士は、なんと、三井弁護士。全くの偶然です。 少し長くなりますが、とてもおもしろかったので、詳しくご報告します。 着席して法廷を見ると、背広姿の30代男性が、一人、ソワソワと被告人席あたりにいます。三井弁護士に「ここ、座って!」と一喝され、「あの人が被告人?」とみんなキョトン。在宅起訴の被告でした。
10代にシンナー吸引で捕まり、一年前にも同じ罪で捕まって罰金刑になり、今度で三度目という被告は、見るからに気弱そうな、でも真面目そうな男です。
裁判が始まると、裁判長、検事、弁護士の超早口にアゼン。何をしゃべっているのか聞き取れないほどです。三者とも資料を共有しているので、今さら読み上げるまでもない周知の内容を、裁判劇の演出上の必要性から、いやいや読んでいる、とでも表現するのがピッタリでしょう。セレモニーです。
やっと、弁護士の証人喚問になり、被告人の妻なる女性が傍聴人席から登場しました。刑事ドラマでおなじみの光景ですが、現実は殺伐としていました。
ヨヨッと泣き崩れ、夫の更正を必死で誓う妻…のよう効果を期待しての証人喚問だったのかも知れませんが、冷え切った夫婦仲ばかりが鮮明になり、夫の逮捕、自分の鬱病、末期癌の母親の看病の三重苦で心身がズタズタになった妻の痛々しい姿があわれでした。なぜシンナー吸引へ逃避したのか、本人に聞くまでもなく理解できそうな家庭事情が浮かび上がってきました。
後で数人で感想を話し合った時に、異口同音だったのは「あんな証人じゃ、弁護士さんが気の毒」でした。裁判官に涙の訴えどころか、四度目の逮捕の可能性を確信させたんじゃないかと、みんなが感じたからです。誰が見ても、シンナー常用者だとわかる被告で、刑務所よりもシンナー中毒の治療ができる施設へ入れた方がよいと、みんなで話し合ったほどです。
刑事裁判とはいうものの、被告人の犯罪心理や犯罪環境を確かめる時は、生々しい日常が白日のもとにさらされるのだと、改めて実感しました。
たかがシンナー吸引事件でこんな状態だと、殺人や誘拐、放火などの重罪になったらどうなってしまうのだろう…そんな不安が生まれます。ましてや、後の傍聴席ではなく、一番高い裁判官席から見下ろしたら…。情況や感情におぼれず、冷静に判断できるのか、自信がなくなりました。みなさんも同じ感想でした。人を裁くことの難しさは、裁判傍聴をすればよくわかります。 その日は、その後の約15分間で、麻薬取締法違反の女性の注射針後らしき箇所の証拠再確認、さらに、無免許と飲酒で捕まった男の判決言い渡しの二つの裁判も傍聴できました。まさに、時間との戦いのように、サッサと登場人物が変わり、どんどん事が進み、裁判が流れ作業なのだとよくわかりました。一日に何件の裁判があっても、その日の裁判長は一人とか。
オマケの二件は、被告人が拘置所に留置されていたらしく、手錠と腰綱をつけられ、監視員に脇を固められての登場で、やっと犯罪者の裁判らしい情景になって、みんな納得顔でした。無免許と飲酒で捕まった男の判決は、6ヶ月の実刑に5年間の執行猶予がついたもの。身体が大きく不良っぽい若者の入廷時は、腰綱どころか拘束衣のような頑丈なベストに綱がついた厳重な監視体制だったのに、執行猶予の判定が下りた直後に一礼すると、トコトコと傍聴席側に歩いてきて、そのまま仲間と消えてしまいました。その簡単さに、やっぱりアゼンとしました。 三つの裁判を傍聴した後、裁判長と質疑応答をする時間をもらいました。
今、見学したばかりの裁判について、それぞれが気になった事を質問した後、裁判員制度についても質問をしました。「裁判官は、わりと楽観的で歓迎ムードですよ」と、30代の若い裁判長は軽いのり。さらに法律素人の一般市民の参加に不安がないかと質問を重ねると「考えてもしょうがないから」と笑顔。「裁判員制度が適用される裁判になったら、ボクは裁判長じゃないんです。もっとキャリアがある人が裁判長になって、ぼくらの世代が右側、もっと若い世代が左側に座って三人で担当します。だから、裁判長に任せちゃいます」…納得。
司法はまだ閉ざされた世界かもしれないけど、裁判官の資質は、たぶん、開かれた世界に突入しています。軽い裁判官の言葉に安心すべきか、心配すべきか、悩みながら帰路につきました。             

報告・山中圭子

会長オプション企画 第2弾  検察庁を見学してみよう! 体験報告

しらはぎ会講演会「あなたも裁判員。裁判員制度について知ろう。」から発展し、弁護士さんの話、裁判官の話を伺ってきました。最後の締めで検察庁の検事さんの話を伺いに行ってきました。
まったく法律に疎く、また幸いなことに裁判所にも警察、検察にもお世話になったことのない身は、これらの区別も正確には分からない状態です。
静岡地方検察局浜松支部は、いま新しい裁判所の隣に建築中です。現在は旧法務局の建物を使っています。
先に裁判を傍聴した時、機械的に淡々と罪状を読み上げる検事に、ちょっと怖い感じを持っていましたが、とても穏やかな歓迎を受け安心しました。

 施設見学
一番角の部屋は鉄格子と金網に囲まれていました。警察から移送されてきた被疑者が待機する部屋だそうです。被疑者は手錠腰縄の状態でここから検事の部屋に連れて行かれ、検事の取調べの前に始めて縄や手錠を解かれます。

 検事の部屋
テレビドラマで見るより、ずっと狭く、検事と事務官の机、椅子、検事の机と差し向かいに被疑者の座る椅子、護衛の警察官が座る椅子2脚で一杯のものでした。
忙しい仕事の合間に、検事さんが話をしてくださいました。

 1. 裁判員制度が生まれた理由
日本には昭和3年から18年まで陪審員制度が存在した。しかし定着しなかった。現在司法の場に国民が参加できるのは、国会議員選挙とあわせて行われる最高裁判事の国民審査(○×投票)と検察審査会委員のみである。
もともと司法は、国家権力から、国民の自由、民主、平和を守るために独立している。世論がどうあろうと、法にのっとりこの国民の3つの権利を守り抜くのが司法である。しかし今、国民の民意からかけはなれた裁判を行うことができなくなった。そこで、裁判員制度を導入することになった。

 2. 裁判員制度で、検察はどう変わるか
弁護士が被疑者の側に立って弁護するのに対して、検察官は被害者の側にたって罪状を立証する。裁判員として市民が参加してくることから、いままでプロ同士が見ていた証拠をいかに分かりやすく説明できるかがポイントになると思う。証拠を文字で説明したり写真で示すだけでなく、三次元的にあらわすことも考えていかなければならない。

 3. 現在の検察官の仕事は
1ヶ月一人10件から30件くらいの事件を抱えている。拘留期間中に誰が見ても妥当だと考えられる証拠、証言を集めて起訴する。浜松も多くの外国人が働いているが、外国人の犯罪の場合、言葉の障害、基本的な道徳観や常識の違いがあり、大変困難である。 検察官も、色々悩みがあるのだとお話をしていてわかりました。
冷たかった検察庁に暖かいものが通ったようで、何よりも「被害者の立場で捜査、起訴します。」と言う検察官を頼もしく思いました。
とても敷居の高かった司法の場は、特別なことを除いて公開されています。裁判傍聴も、検察局見学も自由にできます。(事前に電話で確認をしておくと、確実にできます。)これからも興味を持って世の中を見て生きたいと思いました。     

神谷尚代(17回)

Copyright © SHIRAHAGIKAI. All rights reserved.